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水質浄化プロジェクト

水質浄化プロジェクト
魚が安心して泳ぐことのできる川に
はじめに~淀水路について

かつて淀緑地は、水路にゴミが浮かび、不法投棄された自転車が沈んでいるような悪臭のする不快な場所でした。

 

今からやく10年前、市の公園整備とともに先達のボランティアの方々が桜を植え、ゴミを拾ったり草を刈ったりしていくうちにようやく今のような状態にまでなっていったのです。

ただ水路の水質だけは、淀競馬場の池の溢水(あふれた水)がおもな水源であり、他の川からの流入がないため渇水しやすく、また水の停滞のため濁りがひどくなっています。

そこで少しでも水質を改善し魚が住みやすく、またここを訪れる人々にとっても安全で気持ちのいい時間を過ごせる場所にするための取り組みを、2016年9月より行うことになりました。

水質を浄化するための実験場所は、東部淀緑地のほぼ中間に当たる亀公園のワンド状になった所です。

この場所を選んだのは汲み上げた地下水の流入があるものの大きく湾曲した地形で水が停滞しやすいため、吸着資材や微生物資材の投入実験には好都合と考えたからです。

水質浄化のための(ちょっと難しい)話

​水の浄化といえば代表的なのが炭です。炭は多孔質形状を持っているため表面積が大きく、微細孔に有害成分を吸着させることにより除去するのです。

ただし単純に微細孔に取り込むということではなく、界面現象による吸着がその仕組みであり、「ファンデルワールス力」という原子や分子レベルに生じる力が関係しているのです。

活性炭は吸着に特化した性質を人工的に付加したものですが、一般的な炭でも役割としては同じものだと思います。

ただし二つ問題があって、一つは微細孔は目詰りしやすく、物理的にもその体積以上の有機物を吸着しないため、定期的な洗浄が必要なこと。

そしてもう一つは極性の問題です。

炭の表面は非極性で、簡単にいえば水に溶けにくいものを吸着するのが得意で、水にに溶けやすい無機イオンは吸着しにくいということです。

​無機イオンの代表的なものはリン酸、窒素などで、窒素の中にもアンモニア態窒素、亜硝酸態窒素などがあり、植物が吸収しやすいものが実は不得意なのです。

そこで炭のもう1つの特性である、無機イオンを分解する微生物を増やすための資材(床)としての活用することを考えました。

熱帯魚の飼育に詳しい方なら理解されると思いますが、水槽での水質浄化は活性炭とウールマットを用いて有益な微生物を増やし、アンモニアや亜硝酸態窒素の分解を行ないます。

​またPHS(紅色光合成細菌)などの投入も行います。

しかし実際には有益な微生物を増加させるのは意外に難しく、また川の水質悪化の原因の一つである油分などの難分解性物質の分解は難しいのです。

そこでえひめAIを併用することにしました。えひめAIとは家庭でも作れる、愛媛県産業技術研究所が開発した微生物資材です。

えひめAIには次のような効果があります。(参照 鬼北町ホームページ)

1.水にえひめAIの酵素が働き、油分などの難分離性物質が、微生物に食べられやすくなります。

2.えひめAIそれ自体が在来微生物の餌となり、在来微生物が活性化します。

3.各種微生物が増殖するとともに、隠れていた微生物が出現し数が増加します。

4.それにより、生物種間の食物連鎖が促進されます。 

5.微生物が増殖し、ばっ気槽汚泥濃度が上昇し飢餓状態になることにより、共食いが始まり、汚泥の減少が起こります。また、汚泥の凝集性が向上します。

6さらに、えひめAIが浄化槽経由で河川に流れる事により土着の微生物の餌となり、土着の微生物が増える事によって、河川や海が浄化されます。

 

​このような物理的吸着と生物的分解という二つの作用を利用して、水質を浄化に取り組んでいこうと思っています。

ただ、ここに書いたことは自分で調べたことのみで専門家の意見を伺ったわけではありませんし、特に炭の吸着メカニズム等の情報には不足、過誤があるかもわかりません。

​もし何かお気づきでしたらメールでお知らせいただければ幸いです。

​えひめAIの詳しい説明はこちら

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